『家づくり』アカデミー・「豊かな暮らし」とは
「30坪未満」の家がなぜ増えたのか?マイホーム希望者が「広さ」よりも優先するものとは?
全国の戸建ての平均坪数はおおよそ30~40坪
ところが、近年、地方でも「30坪未満の家」が増えているといいます
背景には地価や住宅価格の高騰だけでなく、マイホーム希望者の「優先順位の変化」が関係しているそうそうです
弊社施工例
理由としては、
■LDKを充実させ寝室や客室はコンパクト傾向に
「30坪未満の家」が増えているといっても、「マイホームを少しでも広くしたい」という要望そのものは変わってなく、変わったのは、優先順位で、住宅設備の性能が良くなり、各家庭で「広いお家に住みたいけれど、これも譲れない」というものがでてきたこと、さらに、働き方や家族構成の変化から生じた新たな価値観・ニーズが背景にあるそうです
背景1)広さよりも性能やデザインを重要視する家庭が増えた
今は昔の家と違って、断熱気密性や耐震性など大きく性能が上がりました
それによって、家わ建てる費用が同じ坪数でも昔とくらべ大きく上がっています
限られた予算の中で、広さに当てていた金額が性能に移り変わっていったイメージです
国からZEH(ゼッチ)住宅への補助金や、長期優良住宅への金利優遇などもあって、より高性能な住宅に目が向けられるようになっています
また、メンテナンス性の高い仕様や、太陽光パネルと蓄電池など、家を建てる時に設備投資をする人も増えています
これらの設備費のため、坪数を抑えるというご家庭も多くなっているのではないでしょうか
背景2)共働きが増えたことにより、家で過ごす時間も短くなった
何かと忙しい現代人は昔にくらべ家で過ごす時間が短くなっています
それに伴い、「LDKを充実させ他の部屋は狭くても特に生活に影響はない」という考え方が浸透しました
昔は、寝室にもTVやドレッサーを置くのが主流でしたが、今では「寝室でTVは見ない」「ドレッサーは洗面台で十分」という方が多くいます
そうすると、「8畳は欲しい」とされていた寝室が、「5畳で十分」となります
昔は来客スペースに1部屋欲しいという考え方も、「年に何回来るかわからない来客のために一部屋も必要?」という合理的な考え方になってきています
背景3)4LDKの要望から3LDKの要望へと変わっていったこと
近年は子どもを希望しているご夫婦でも、「1人か2人まで」と家族計画をしている方が多く、部屋数が少ないケースもあります
そのためファミリー向けの住宅で多かった4LDKの要望が3LDKに移行し、大部屋をひとつ計画し、将来的に部屋数を分割できるようにする間取りも人気になっています
■家づくりは坪数にこだわらず、自分の価値観を大切に
「30坪未満」のお家と聞くと、一見小さそうに思うかもしれませんが、実際はそうではありません
各居室の広さは節約し、LDKは18畳以上確保されていることが多く、来客時には狭いといった印象を感じることはあまりないかと思います
実際のところ、28坪と30坪のお家があったとして、その違いはお部屋の広さではなく、廊下の有無や収納の量、バルコニーの有無などで面積が変わることも多いです
暮らしにはゆとりも大事という意見もありますが、廊下や物を置くスペースにも1坪60万、80万と費用もかかってきます
坪数にこだわらず、限られた資金のなか、いかに快適な空間を作り上げるか、そういった意味でも「間取り」は非常に重要になってきます
今ではSNSで色々な施工例や実例を見ることができるようになりました
また情報もたくさん飛び交う中、情報を選ぶ目も必要になってきているように感じます
ただSNSで取り上げられているお家は実はほんの一握りの特殊なお家のケースもとても多いのが事実です
「よそはよそ、うちはうち」という言葉が昔からありますが、まさに今必要な言葉かな、と思います
かけている予算や建築条件も違う中でのお家なので、自分の価値観を大切に、「他人が喜ぶのではなく自分が喜べる家づくり」を目指して欲しいと思います