社長ブログ

改正空家特措法が成立、空き家活用の拡大に期待

6月7日、「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案」が参議院本会議で可決・成立しました
空き家の活用拡大、管理の確保、特定空家等の除却などに総合的に取り組 むことが目的で、空き家対策が総合的に強化されます
増大する空き家への対策に加速しそうです
大きな改正点の一つが「空家等の管理の確保」の視点です
放置することで特定空家(周囲に著しい悪影響を及ぼす空き家)となるおそれがある空き家を新たに「管理不全空家」と設定しました
市区町村長は管理指針に即して除去や修繕といった措置を指導・勧告 することができ、勧告された管理不全空き家は固定資産税の住宅用地特例を解除されます
空き家が放置される理由の一つとして、200m²以下の住宅用地 について固定資産税額が6分の1となる「固定資産税の住宅用地特例」が指摘されてきました
空き家を取り壊せば「住宅用地」ではなくなり固定資産税が大きく増えることから、空き家が放置される温床 と言われてきました
国土交通省は、2021年6月に特措法の基本指針とガイドラインを改正し、幅広く特定空家と認定し勧告・命令するとともに、住宅用地の認定を厳格化して特例の適用除外を積極的 に進める方向を打ち出しました
今回の改正で「管理不全空家」についても特例解除が明確に示されたことで、空き家の活用が進むことが期待されています
「管理不全空家」について、業界からは空き家所有者の意識変革を促すとの指摘もあります
空き家所有者のなかには、相続した家に誰も住んでいないが親の遺品などが置いてある、年に1~2回は訪れている、といった家を空き家と認識していない人が少なくありません
窓が壊れている、外壁が剥がれているなどを管理不全と考えていない人もいます
そうした空き家が「管理不全空家と」される可能性もあり、「自分が所有する住宅が “ 空き家 ”なのだと気づくことで活用に動き出す」という効果も期待されています

 

 

もう一つ大きな改正が「空家等活用促進区域」の設定です
これは市区町村が区域や活用指針などを定めて用途変更や建替えを 促進するもので、中心市街地や地域の再生拠点、観光振興を図る区域などがイメージされています
さまざまな規制で空き家の活用が難しいケースがあります
例えば、第一種低層住居専用地域では店舗やカフェなどにリノベーションするなどです
改正により、空家等活用 促進地域においては、指針に沿った用途に変更する場合の用途規制、また、接道に係る前面道路の幅員規制を合理化します
また、特定空家の除去などの対応を強化します
命令など事前手続きを経り「緊急代執行」制度を新たに創設したことに加え、所有者不明の代執行・緊急代執行の費用を確定判決なしに徴収できるようにし、自治体が代執行しやすい環境を整えました
さらに 管理不全空家と特定空家について「財産管理人」について、市区町村長に選任請求権を認め、相続放棄された空き家などに対応できるようになりました
賃貸や売却を除く「その他空家」は2018年で349万戸と、 2008年から1.3倍に増加しています
こうした空き家をしっかりと管理 して受け継ぐのか、リノベーションなどで活用するのか、また、除去して新たに土地活用を図るのか、空き家の増加抑制、さらには空き家の減少に向けた取り組みが本格化しそうです

 

私は、「空き家」を解体してしまうという選択肢もありますが、出来ることであれば『空き家を生き返らせ、甦らせたい』と考えています

そうすることにより、資源を少しでも活用させ、廃棄物処分に伴う余分なエネルギーを使わず、CO2発生による「地球温暖化の防止」にもつながると思います