社長ブログ・「本当に良い家」とは

豊かで幸せな暮らしを支える、『大切な家の5つの性能』

注文住宅といえば、「人と違ったおしゃれな家をつくれる」というイメージを持つ人は多いと思いますが、自由度が高いのは『デザイン』だけではありません
性能』もまた、ある程度自由に設計することができます

住宅における性能は、以下にわけられます
耐震性(建物の構造体の強さ)」「耐久性(耐候性、雨漏り防止)」「メンテナンス性(維持管理、修繕がしやすい工夫)」「温熱環境(断熱、気密、空調計画)」「省エネ性(建物の燃費、光熱費、太陽光などの創エネ)」の5つです

私はデザインよりもまずこれら5つの性能をバランスよく配慮した設計が、豊かで幸せな暮らしにつながると思っています

安全な暮らしに直結する耐震等級とは?
地震大国日本において住宅の耐震性は、安全な暮らしに直結する要素です
建築基準法という法律により、住宅が満たすべき耐震性(耐震等級1)は定められていますが、あくまでも最低レベルで、その上には、国の基準の1.25倍の強度である「耐震等級2」と、1.5倍の強度を持つ「耐震等級3」が存在しています

では、現実としてどの等級であれば安心して暮らせるのでしょうか
2016年に発生した熊本地震を例にとって考えてみます
熊本地震では、震度7の地震が連続で発生しました
耐震性の低い建物は、前震でダメージを受け、本震がとどめとなって崩壊してしまいました
耐震等級1程度相当の建物のうち6%が倒壊してしまいました
耐震等級2の建物は、倒壊こそ逃れたものの半壊や修繕困難な損傷を負った建物もありました
しかし、耐震等級3の建物では、倒壊、全壊、大規模半壊はゼロで、地震後も軽微な修繕で住み続けることが出来ました

命はもちろん、日々の生活を守り、また家という財産も守る、耐震等級3の家づくりをお勧めします

 

 

次に、住宅会社によって特に大きな差が出るのは、断熱性をはじめとした「温熱環境」へのこだわりです
温熱環境は健康で幸せに暮らすうえでは欠かせない要素であるため、ぜひ家づくりの際に意識してほしいと思います

あたたかい家」は、家族の命を守ります
性能について考えるうえで最も大切だと思うのは、温熱環境、すなわち「あたたかさ」です

寒さというのは、実は私たちの体にかなり悪影響をおよぼすことがわかっています
手足の冷えや、アレルギー、睡眠不足などの不調の原因にもなります
あたたかい場所から急に寒い場所に移動すると、血圧や心拍の急激な変化が起き、それが脳梗塞や心筋梗塞の引き金となるリスクがあります
また、室温が18度以下になると、循環器系の疾患やケガのリスクが上がり、WHO(世界保健機関)は住宅内の最低室温を18度以上にすることを強く勧告しています

しかし、国の定める断熱基準が1999年からアップデートされていないこともあり、近年目指すべき基準として使われているのが「HEAT20(20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会)」が提示するグレードで、G1、G2という基準は、国の基準よりも高い基準です
住宅において、断熱性能の目安として「国の基準、G1、G2」という3.つがあると知っておきましょう(さらに寒冷地でも対応できるG3レベルもあります)

何もオーダーしなければ、断熱性能は基本的に国の基準並みとなりますが、よりあたたかな家を望むなら、G1、G2とグレードを上げることになり、追加でコストがかかる可能性も高いですが、ただ、断熱性能を高めることで、設置するエアコンの台数が減ったり、ランニングコストが抑えられたりして、いずれ初期投資は回収できます
加えて長く健康で快適に住み続けられるというメリットもあるので、弊社ではG2レベルを標準としております

 

 

次に「光がよく入る、明るい家にしたいから、窓をできるだけ多くつくってほしい」そんなご要望を受けることがよくありますが、実は窓というのは、構造的にいうと建物における「弱点」であり、たくさんつくるほどデメリットが大きくなってきます
例を挙げると断熱性能、耐震性、メンテナン性、収納性、コストパフォーマンスといった点が、低下していきます

 

 

窓の本来の役割を考えてみると、次の4つになるかと思います
「自然の光をとり入れる」「景色をとり入れる」「出入りする」「通風をうながす」
この4つさえ満たせれば、窓の数が少なくとも、十分快適に暮らしていけます
窓は、「必要最小限の数」を「適切な場所」に計画するべきで、なんとなく窓という弱点を設け、住み始めてから「いらなかった」とならないよう、必要性を吟味しましょう

 

以上、豊かで幸せな暮らしを支える、『大切な家の5つの性能』のうち、特に「耐震性」と「温熱環境」のお話しをさせていただきました

 

 

私は設計士として、【豊かで幸せな暮らしを実現する】ために、『デザイン』も非常に重要だと思っておりますが、まず大切な『性能』を担保して、『デザイン』もこだわっていければと思っています

 

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