『家づくり』アカデミー・「豊かな暮らし」とは

『スキップ フロア』とは?

スキップフロア』とは、高さの異なる床を組み合わせて構成される間取りで、限られた空間でも、開放的でおしゃれな雰囲気を演出できます

これから、スキップフロアの魅力や特徴等をご説明します

◎スキップフロアとはどのようなスペース?
スキップフロアは、限られた敷地でも広い空間を叶える方法として注目を浴びています
しかし、スキップフロアのある家は「実際にどのような空間になるのかよくわからない…」という方も多いのではないでしょうか
スキップフロアの定義や魅力、特徴についてご説明します

スキップフロアの定義
スキップフロアとは、一つの空間に異なる高さの床を設け、中2階や中3階といった中間層をつくる方法で、一般的に、床から少し高さを出したフロアを「小上がり」と呼び、基本となる床よりも低い部分を「ダウンフロア」と呼びます
また、1階と2階の間に設けられた階は「中2階」と呼ぶなど、スキップフロアにはさまざまなスタイルがあります

スキップフロアの魅力や特徴
段差を活用して空間を仕切るスキップフロアは、空間を細かく仕切る壁や扉などを極力減らした間取り構成できます
視界を遮るものが少なく、それぞれのフロアがゆるやかにつながっているため、視覚的な広がりを感じられます
また、部屋と部屋を廊下でつなげる必要がないため無駄なスペースが減り、リビングや部屋のスペースを広げられることが大きな魅力です
このように、1階でも2階でもない中間層にフロアを設けられるスキップフロアを間取りに取り入れることで、開放的な住まいを実現できます

 

 

◎スキップフロアがもたらす7つのメリット
スキップフロアには多くのメリットがあります
しかし、実際に見たり住んだりしたことがない方は、どのような空間がつくれるのかイメージしにくいものです
そこで、ここからはスキップフロアの主なメリットを7つご説明します

1.空間を有効活用できる
スキップフロアの最大のメリットは、空間を有効活用できることです
一般的な家の場合、空間を横方向に使用して部屋を配置しますが、スキップフロアは縦方向の空間を活用し、通常の1階や2階にプラスして中間層にも床をつくります
さらに、廊下をつくらない間取りのため床面積に余裕が生まれ、子どもの学習スペースや趣味のスペース、書斎などを実現しやすくなるのが特徴です

2.明るく開放的な空間をつくれる
高低差のあるリズミカルなフロア構成のスキップフロアは、視線が上下や斜めに動きます
そのため、通常の間取りと比較すると奥行きが生まれ、開放的に感じられます
また、壁など遮るものが少なく、空間全体がゆるやかにつながっています
窓の位置や大きさ、スキップフロアの配置によって外からの光が部屋の奥まで届きやすくなり、空間を明るく快適に演出してくれます

3.おしゃれな雰囲気づくりができる
スキップフロアを取り入れると、床の高さに変化のある立体的で開放的な空間が生まれます
そのため、過ごす場所や見る角度によってさまざまな景観や雰囲気を楽しめるのも魅力の一つです
スキップフロアは、通常の間取りでは実現できない特別感のあるおしゃれな空間を演出できます

4.どこにいても家族の気配を感じられる
壁や扉をほとんど設けず、高さの異なる床で構成するスキップフロアは、それぞれの空間をゆるやかにつなげることで一つの大きな空間をつくります
そのため、別々の場所にいてもお互いの気配や様子をさり気なく感じられます
また、床の高さはそれぞれ異なるので、目線の高さが適度にズレて心地よく過ごせます
スキップフロアに子どものプレイルームや学習スペースをつくると、リビングやダイニングから子どもの様子を見守りやすく、いつでも安心して家事やリモートワークができます

5.限られたスペースでも床面積を増やせる
建築基準法上、3階建てを建てられない場合や狭小住宅のように床面積が限られているときは、1階と2階だけでは十分なスペースを確保できないこともあります
このような場合に、床面積を増やす方法としてスキップフロアは非常に有効です
スキップフロアは複数の床を設けられるうえに廊下がないため、床面積全体を居住空間や収納スペースとして無駄なく活用できます
さらに、1.5階や2.5階、または1階から数段下げたスペースなど、多層式に構成すると床面積を無理なく増やせます
床面積が増えると使用できる用途を増やせるため、収納スペースを追加したり憧れの書斎を設けたりと、より理想的な住まいを実現しやすくなります

6.段差を利用して収納スペースをつくれる
スキップフロアで生まれた段差の下部は、収納スペースとして無駄なく活用できます
また、床を高くするとその分床下収納の空間を広くとれます
そのため、狭小住宅のようにスペースに余裕がない場合でも、豊富に収納スペースを確保することが可能です
一方、天井の低い収納スペースを設けることで生まれるメリットもあります
建築基準法上、天井高1.4m以下の収納は直下階の床面積の1/2未満であれば床面積に加算されず、固定資産税の対象にもなりません
そのため、容積率の制限などで十分な収納を確保できない場合でも、快適な居住空間を実現しやすくなります

7.高低差のある土地の形状を活かせる
高低差のある傾斜地でも、スキップフロアは活躍します
一般的に傾斜地に家を建てる場合は造成工事をして土地を平らにしますが、その分余計な施工費用がかかってしまいます
しかし、スキップフロアは土地の自然な勾配を利用した空間づくりができます
傾斜地は比較的土地の値段が安いため、「眺めのよい家に住みたいけど土地の値段は安くおさえたい…」という方は、あえて傾斜地を選ぶことも一つの方法です

以上、スキップフロアの魅力や特徴等をご説明させていただきました